山梨県議会議員 浅川力三  C型肝炎対策

C型肝炎対策について

C型肝炎対策

C型肝炎対策は、患者さんの命がかかった政策課題です。
これからも、議員活動のライフワークとしてしっかり取り組んでいきます。

■ 患者、家族との出会い
■ 北杜肝友会
■ 県議会での議論
■ 今後の展望、国への提言

患者、家族との出会い

 平成15年、旧小淵沢町にお住まいの女性から電話をいただいたのが、私とC型肝炎の患者、家族の皆さんとの関わりの発端です。彼女のご主人は長野県富士見町の病院で療養していまして、長野県や東京都では医療費を助成してくれるのに、山梨県にはその制度がありません、とのことでした。

 C型肝炎の治療にはインターフェロンの投与が効果的なのですが、医療費が高額になること、長期間の入院や自宅療養が必要となり仕事との両立が難しいこと、発熱、嘔吐などの副作用を伴うことがあり、患者、家族の皆さんには経済的、精神的負担が重くのしかかっていることを知り、公的支援の必要性を痛感したところです。

 また、保健福祉事務所職員の協力を得て、C型肝炎ウイルス検査の状況を調査したところ、北杜市の感染率が非常に高いこと、特に旧高根町や旧明野村にキャリア(C型肝炎ウイルスに感染している人)が多いことが判明しました。

北杜肝友会

2010_07240012-1000.jpg 患者・家族会は、会員が相互に励まし合い、治療へのモチベーションを高めるとともに、患者・家族の声を集約して行政へ届けることが期待される組織です。

C型肝炎についても、プライバシーの問題など高いハードルがありましたが、医療関係者、行政関係者、そして、なにより当事者の地道な努力が実を結び、平成18年8月、約30人のメンバーにより「北杜肝友会」が発足しました。
そして、同会では、肝炎の正しい理解を進めるセミナーや会員相互の親睦を深める交流ツアーを開催するとともに、山梨県及び北杜市の担当課へ患者・家族の意見を伝えるなど活発に活動して、現在の会員数は100人に達しようとしています。

私も、発足時から相談役として会の運営に関わり、辛い治療に立ち向かう会員を勇気づけ、そして、肝炎対策基本法の制定には会員全員と喜びを分かち合いました。

患者・家族の皆さんはもちろんのこと、同会の活動を応援していただける方でしたらどなたでも結構です。入会をお待ちしています。

県議会での議論

 私は、平成15年4月の初当選以来、代表質問、一般質問に登壇する度にC型肝炎対策をとりあげて、県執行部と議論を重ねてきました。

 当初は、患者の状況は十分に分析できていない、そして、医療費助成は困難であるとしていた県の対応が、現在では、病院間の医療ネットワークを整備して、医療費助成や肝炎ウイルスの無料検査を実施するなどと大きく前進していまして、隔世の感がします。横内知事の英断に敬意を表する次第です。
今後も、肝炎対策基本法の制定を契機に、なお一層の施策の充実を期待します。

【質疑の要旨】

○平成15年9月定例会 関連質問(H15.10.1)

北巨摩地域は、全県に比較してC型肝炎の感染率が高いと聞いているが、県ではそのような状況を把握しているのか。
 また、C型肝炎の早期発見・早期治療をするためには、C型肝炎ウイルスの検診事業が重要である。県では、受診率の向上のために具体的にどのように取り組むのか。

(福祉保健部長 答弁)
ウイルス肝炎については、平成14年から住民健診を実施しているという状況であり、まだ詳細な調査分析ができる状況にない。今後、この検診は5年間をかけて実施していく。
 また、市町村が行うC型肝炎ウイルス検診や健康相談、健康教育に対して助成するとともに、市町村や医療機関と連携し、ウイルス肝炎についての知識の普及啓発などを行って、受診率の向上に努めている。

○平成16年2月定例会 一般質問(H16.3.8)

 インターフェロンの投与には、長期入院と退院後も数カ月の自宅療養を余儀なくされるとともに、医療費も多額の負担となり、多くの患者の家計を圧迫している。また、副作用による発熱、嘔吐等の苦しさは筆舌しがたく、本人はもとより、家族が受ける精神的苦痛は、第三者には想像だにできない。
 県は、C型肝炎患者に対し医療費給付の支援制度をどのように考えているのか、また、患者の会の設立などソフト面の支援についてどのように取り組んでいくのか。

(福祉保健部長 答弁)
C型肝炎の医療費は、高額療養費制度により医療費の負担が軽減されているところであり、C型肝炎の患者に対し医療費給付の特別な制度を設けることは難しいと考えている。県では、今後も、患者や家族からの相談に応じるとともに、県民に対しC型肝炎に関する正しい知識の普及啓発に努めていく。

○平成18年2月定例会 一般質問(H18.3.7)

C型肝炎ウイルス検査の受診状況と、未受診者への受診勧奨など今後のC型肝炎対策をどのように進めていくのか。
 また、長野県では患者の会を組織したり、医療費給付などの支援もあると聞くが、本県では、患者や家族への支援について、どのように取り組んでいくのか。

(福祉保健部長 答弁)
市町村、医療機関との連携を図りながら、肝炎ウイルス検査の受診勧奨を一層進めていく。
 また、C型肝炎について、国では特別な医療費補助を行うことは困難であるとしており、県として医療費給付制度を設けることは難しいと考えるが、患者、家族の継続的なケアや精神的な支えが必要であり、医療機関をはじめ身近な相談の場である保健所、市町村等において相談にこたえ、患者やその家族が地域で安心して生活することができるよう、健康上の不安の解消に努めていく。

○平成18年9月定例会 一般質問(H18.10.4)

 C型肝炎は、早期に感染を発見し、医療につなげることが重要であり、県はどのような取り組みを行っているのか。
 また、患者に対する支援のあり方は国家的な問題であり、県は、国に対してどのような働きかけを行っているのか。そして、県として、医療費に対する助成制度の検討も含め、患者や家族をどのように支援していくのか。

(知事 答弁)
 本年4月から全保健所において予約制による匿名・無料での相談とウイルス検査を実施している。
 一方で、県では、平成17年度からC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎患者救済制度の創設を国に要望している。国では、特別な医療費助成を行うことは困難としており、県としても、助成制度を新たに設けることは難しいと考える。
保健所での健康相談に加え、患者会等の要望に応じ、保健所職員による健康講座を実施するなど、相談や必要な情報提供を行う機会を充実させる。

○平成20年2月定例会 一般質問(H20.2.27)

 県は、今年度、北杜市で、肝炎の早期発見・早期受診のためのモデル事業を展開している。北杜市以外にも感染率の高い地域があり、モデル事業の成果をこうした地域へも広げていくことが重要である。医療費助成への対応も含め、県は、今後どのように感染者や患者を発見し、治療に結びつけていくのか。

(知事 答弁)
本年度、県では「肝炎サポートネットワーク推進事業」として、北杜市において肝炎保健指導モデル事業を実施すると同時に、肝疾患診療連携拠点病院と専門医療機関を中心とする医療ネットワークづくりを進めている。また明年度は、インターフェロン治療を行う患者に治療費の一部を助成する肝炎患者インターフェロン治療費助成事業と、肝炎ウイルスの無料検査を拡大する緊急肝炎ウイルス検査事業を実施することとしている。
 北杜市でのモデル事業の成果を踏まえ、他の市町村が活用できる保健指導モデルを策定して、県下全市町村へ導入を働きかけていく。

○平成20年2月定例会 予算特別委員会総括審査(H20.3.17)

  ~ 一問一答方式 ~
(質問)
肝炎ウイルスの無料検査はどの医療機関で受けることができるのか。

(福祉保健部長 答弁)
無料検査の委託先は、原則として、内科、消化器科などの肝炎の治療ができる医療機関を予定しており、現在、医師会等を通じて募集している。保健所の無料検査に加え、大幅に検査の機会が増える。

(質問)
インターフェロン治療を行う方であれば、だれでも医療費助成を受けられるのか。

(福祉保健部長 答弁)
対象となるのは、B型・C型肝炎ウイルスの除去を目的としたインターフェロン治療で、保険が適用される方である。

(質問)
インターフェロン治療は月に10万円近くかかる場合もあり、県がインターフェロン治療に対し助成を行うというのは、患者にとって大きな負担軽減になる。所得に応じた自己負担額が設定されるということだが、その内容はどのようなものか。

(福祉保健部長 答弁)
患者の世帯の市町村民税所得割の課税年額に応じて、課税額が6万5000円未満の場合は1万円、23万5,000円以上の場合は5万円、その中間の場合は3万円の自己負担を設定する。

(質問)
県は、今年度から北杜市においてモデル事業に取り組んでいる。住民を対象としたセミナーには、毎回100人を超える多くの方が集まり、熱心に講師の話を聞いていた。県では北杜市のモデル事業の成果を、どのようにして他の市町村に普及させていくのか。

(福祉保健部長 答弁)
来年度、成果を検証して、他の市町村でも活用しやすい保健指導モデルをつくる。そして、このモデルについて、保健所ごとに説明会を開催するなど、市町村に対して導入を強く働きかけていく。

(質問)
私はこのモデル事業が、先ほどの無料検査や治療費助成事業が効果を発揮するかどうかの鍵を握っている。ぜひこのモデル事業を成功させ、県全体に広げていってほしいと思う。
平成19年度からこのようなモデル事業をはじめとする県の肝炎対策がスタートしたのも、私は、ひとえに横内知事の決断があったからこそと思っている。私も肝炎患者のためにこれからも努力していく。知事にも、引き続きこの肝炎対策に力を入れていただきたいと思う。

(知事 答弁)
県では、肝炎対策は県民の生命と健康を守る上で大変に重要な課題だと考えている。
来年度は、無料検査の拡大とインターフェロン治療に対する助成措置を講ずる。同時に、北杜市において実施しているモデル事業、これは議員の長年の御努力を受けて実施しているものであるが、その成果も出てきているので、これを全県に広げて、この肝炎対策に対する施策をさらに充実をしていきたいと考えている。

○平成20年9月定例会 一般質問(H20.10.2)

 本年度開始された緊急肝炎ウイルス検査事業及び肝炎患者インターフェロン治療助成事業の直近の状況はどうか。そして、利用が低調との報道があったが、より多くの感染者・患者に利用していただくための県の対応策はどうか。
 また、昨年度実施した北杜市の肝炎保健指導モデル事業は、感染率の高い他地域に今後どのように生かすのか。

(福祉保健部長 答弁)
緊急肝炎ウイルス検査事業では、234の医療機関と契約し8月末で130名の方に受診券を交付した。また、肝炎患者インターフェロン治療助成事業でも、218名を助成対象として認定した。
 北杜市で行ったモデル事業では、地区セミナーの開催、肝炎手帳の交付などを行った。受診経験のない患者・感染者を治療につなぐことができた、かかりつけ医と肝炎専門医療機関との連携が図られたなどの評価をいただいたところである。今後は、この成果をもとに、保健指導推奨モデルを策定して、感染率の高い市町村を中心に、本モデルの導入を働きかけていく。

○平成21年2月定例会一般質問(H21.2.26)

 インターフェロン治療が多くの患者に効果が期待できることや、治療費の一部を助成される制度が創設されたことが十分に認知されておらず、全国的な共通の課題であるともいえる。
 県は、多くの患者・感染者の早期治療を促進するため、インターフェロン治療効果の啓発や助成制度の活用についてどのように取り組んでいくのか。

(知事 答弁)
 明年度は、肝炎の専門医療機関の協力を得て、治療中の患者から治療の動機、内容、効果などを把握することとして、このインターフェロン治療助成事業の一層の普及啓発に役立てていきたいと考えている。
 また、肝炎対策に実際に携わる人材の資質向上のために、明年度、全国で初めて、市町村の保健師等を対象として、肝炎、肝がん等の最新の学術的な知見を習得した「肝疾患コーディネーター」を育成し、より一層、効果的な保健指導が行われるよう取り組んでいく。

○平成22年2月定例会代表質問(H22.2.24)

 我が国最大の感染症である肝炎について、関係者の悲願であった肝炎対策基本法が制定された。肝炎対策を議員活動のライフワークとして、一貫して患者への精神的・経済的支援の重要性を訴え続けてきた私としては大変喜ばしい限りであり、今回の法制定を契機に、今後のさらなる施策展開につながっていくよう、一層取り組みを強めてまいりたいと、決意を新たにしている。
 肝炎対策基本法の整備に伴い、新たな肝炎対策が実施されることとなるが、これまでの県の取り組みとその成果、今後の新たな施策について所見を伺う。

(知事 答弁)
 議員の御指摘のように、本県の肝炎の感染率は全国でも高いことから、肝炎対策を県政の重要課題の一つとして積極的に取り組んできた。
 肝炎対策基本法により県は、予防、早期発見のための施策や、患者の経済負担の軽減策を講ずることなどが求められている。このため、肝疾患コーディネーターを活用して、地域において感染者の早期発見、早期治療に結びつけるとともに、肝炎保健指導事業導入ガイドラインに基づく保健指導体制の普及に努めていく。
  また、インターフェロン治療費助成事業については、明年度から、自己負担限度額が月額5万円の方は2万円、3万円の方は1万円にというふうに引き下げるとともに、1回の治療で十分な効果がなかった場合には、利用回数を2回に拡大することにしている。

今後の展望、提言

 行政によるC型肝炎対策は格段に前進しました。しかし、次の点が実現されれば、さらに充実したものになると考えています。

(1)医療費助成

    C型肝炎は輸血や注射器の連続使用などでウイルスに感染したものであり、国にはこれを防止する責任があったにもかかわらず、それを果たしてこなかったことが主な原因です。
現在の医療費助成制度は、「患者が適切な医療を受けやすいよう経済的負担を軽減する。」との観点から構築されていますが、このように多くの感染者を発生させた責任は国にあります。
● 自己負担限度額を撤廃して、全額を公費負担すること。
● 実施期間を7年間に限定せず、恒久的な制度とすること。
● 症状の進行を抑える肝庇護療法を対象に加えること。

(2)治療を受けやすい環境の整備

 C型肝炎の治療は、週数回の通院が必要となり、激しい副作用を伴うことも少なくありません。したがって、治療と就業を両立させることは相当困難です。
● 地域の診療体制を整備する、また、企業に対して勤務時間等について柔軟な対応を求めるなど、患者が安心して治療できる環境の整備に努めること。

(3)正しい理解の促進

 C型肝炎は、早期発見と早期治療が重要です。しかし、肝臓は沈黙の臓器といわれるように自覚症状がないため、肝炎検査を受けない、また、肝炎と診断されても発症するまで治療を受けないという方が多く見受けられます。肝炎は、適切な治療を行わないまま放置すると慢性化し、肝硬変、肝がんといった重篤な疾病となるおそれがあります。
● インターネット、広報誌等あらゆる媒体を介して、C型肝炎の正しい理解の促進を図ること。
● 患者の治療体験に基づく情報は、これから治療を受けようとする者にとって非常に貴重であり、こうした情報の発信に取り組む患者・家族会を支援すること。

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